クールな御曹司の甘すぎる独占愛

◇◇◇

「いったいなにがあった?」


目を丸くしつつ光風堂に入ってきたのは宮内だった。花いかだで会った三日後のことだ。
確か晶には、二度と奈々に近づくなと言われたはずだが、それを微塵も感じさせない。誰になんと言われようと我が道をいくタイプなのだろう。

宮内が言いたいのは、店内のお客の数のことに違いない。昼時を迎えたのに、たったのひと組。異常な事態だった。

原因は言わずと知れた、ミヤビのSNS。彼女のたった一枚の写真とコメントが、光風堂から客足を遠ざけた。彼女が発信し、ネット上で光風堂が話題になってしまったのだ。
その中には光風堂に好意的な意見の人もいたが、娘があとを継いでから味は確かに変わったと、ミヤビに便乗する人が多くいた。そもそも和菓子屋だったの?といった声も多数ある。

晶の協力もあり、ようやく売上が上向きになってきたのに、坂を転がるように事態が悪いほうへ進んでいく。


「開店休業状態だな」


歯に衣着せぬ言い方はいつものこと。宮内はそう言ってから、ピンときたようだ。

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