クールな御曹司の甘すぎる独占愛
◇◇◇
翌朝、奈々はひとつの結論に達した。それは、ひと晩寝ずに考えた末に出した答えだった。
宮内の連絡先を呼び出し、タップする。
《はい、宮内ですが?》
見知らぬ番号からの着信だからか、宮内の声は訝しげだ。
「光風堂の春川です」
名乗ってみるが、それでも《はい?》と聞き返してくる。奈々から電話があるとは思ってもいないのだろう。
《光風堂? 春川さん? いったいどういう風の吹きまわし? あぁ、昨日予約した商品でなにか?》
「すみません。違うんです。宮内さんに折り入ってお願いしたいことがあるんです」
《俺に頼みたいこと? なに?》
「それはお電話じゃなく、直接お話を」
電話の向こうで宮内が押し黙る。いったいどんな裏があるのかと思案でもしているのか。しかし宮内は、「ま、いいよ」と案外軽く了承してくれた。
《キミからのお願いなんてそうそうないだろうからね。珍しいものは好きなほうなんだ》
「ありがとうございます」
奈々は今夜七時に花いかだで落ち合う約束をし、通話を切った。