クールな御曹司の甘すぎる独占愛
「なにを訳のわからないことを。気でも触れた? 演技ってなに」
宮内は奈々を不審な目つきで見る。
「もう、そうするしかないんです」
晶を守るには、別れる以外に道がない。
このままでいたら晶は職を失い、コンサルの敏腕を奮えなくなる。晶の大切な仕事を奈々は奪いたくなかった。
だが、ただ別れたいと晶に言っても、すんなりと受け入れてはくれないだろう。それならば、もうもとには戻れないと決定的なものを見せなくてはならない。
そう思わせるためには宮内は適任者。犬猿の仲である宮内に心が揺れる女なら、晶の奈々に対する気持ちはすぐに冷めるだろう。……最低な女だと。
そんな考えに至ったとき、晶にそう思われる恐怖に、ベッドの上で毛布を頭から被った。
――いっそのこと、この世界から消えてしまいたい。晶のそばにいられないくらいなら。
でも、それが晶に対してできる、奈々のたったひとつのこと。
奈々が正直にすべてを打ち明けると、宮内はなんとも言えないといった複雑な表情を浮かべた。