クールな御曹司の甘すぎる独占愛

「で、でも! 何度もやるなんて卑怯ですよ!」
「俺は一回だけとは言ってないよ」


宮内のセリフに、明美はぐっと言葉を詰まらせる。確かに宮内は、回数には触れていない。


「それだけ俺が本気だってことをそろそろわかってくれないかな」


いつになく優しい声色で囁かれ、明美のやわな闘争心がふにゃふにゃと挫けていく。そもそも、そんなものはなかったも同然かもしれないと、今思い至る。照れ隠しに騒いでいるようなものだから。
ハートが出たことを喜んだ自分は、現実にここにいる。

もしかしたら私、前から宮内さんのことを好きだったの? 好きの裏返しで、冷たい態度をとっていたの?

心の片隅に隠れていた小さな小さな想いのカケラを明美は見つけてしまった。


「……私は、宮内さんがこれ以上苦手なあんこを食べなくてよかったなって思って」
「はいはい、わかったわかった」


立ち上がった宮内が明美の肩に手をのせる。

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