たった7日間で恋人になる方法
実際どの段階で寝落ちしたのか覚えていないのだけれど、確かに映画が始まって、何一つ物語が進んでいない段階で、記憶は無くなり、気が付くと拓真君の肩にもたれたまま目を覚ました。
寝起きの霞みがかった頭で、静かに流れるエンディング曲と周りのすすり泣く声が響く中、スクリーン上にはエンドロールが流れていた。
もちろん映画の内容が全くわからないだけに、一滴の涙も出ないまま、映画鑑賞デートは終わってしまった。
『仕方ないでしょう…だいたい私、ああいう泣ける恋愛映画なんてほとんど観たこと無いし』
『そうなんだ?なら、最初からそう言えば良かったのに』
『だって、デートってそういうモノでしょう?』
『恋人と観るのは”恋愛もの”って?』
『そう』
『ハハ…凄い偏見だな、そんな決まりあるわけないのに』
『え、そうなの?』
『バーチャルな世界では、それが常識?』
『うん、だいたい…まぁ、実際に映画を見るわけじゃないから』
そう、ゲームの中じゃ、”一緒に観た気持ち”に、なるだけ。
映画の内容よりも、【二人で恋愛映画を見ること】を妄想して、その甘いシチュエーションに酔いしれるのが、バーチャル恋愛。
どんな映画を見たか…なんてことは重要じゃないのかもしれない。
寝起きの霞みがかった頭で、静かに流れるエンディング曲と周りのすすり泣く声が響く中、スクリーン上にはエンドロールが流れていた。
もちろん映画の内容が全くわからないだけに、一滴の涙も出ないまま、映画鑑賞デートは終わってしまった。
『仕方ないでしょう…だいたい私、ああいう泣ける恋愛映画なんてほとんど観たこと無いし』
『そうなんだ?なら、最初からそう言えば良かったのに』
『だって、デートってそういうモノでしょう?』
『恋人と観るのは”恋愛もの”って?』
『そう』
『ハハ…凄い偏見だな、そんな決まりあるわけないのに』
『え、そうなの?』
『バーチャルな世界では、それが常識?』
『うん、だいたい…まぁ、実際に映画を見るわけじゃないから』
そう、ゲームの中じゃ、”一緒に観た気持ち”に、なるだけ。
映画の内容よりも、【二人で恋愛映画を見ること】を妄想して、その甘いシチュエーションに酔いしれるのが、バーチャル恋愛。
どんな映画を見たか…なんてことは重要じゃないのかもしれない。