たった7日間で恋人になる方法
☆
駅に戻るために、バスロータリーに向かうと、先ほどよりは小雨になったものの、未だに降り続く冷たい雨。
ついこの前まで、暦の上では”夏”だったのに、時折吹き抜ける風は冷たく、上着を着ていても少し肌寒いくらい。
『まだ結構、降ってるね』
『予報じゃ一日降るって、言ってたからな』
循環バスの乗り場で時刻表を見れば、ちょうど今出たばかりのようで、次のバスまで、15分待たなければいけない。
時刻は、まだ9時前。
雨も小降りということもあり、ここは駅までゆっくり歩いていくことに決めた。
『せっかくだから、恋人らしく、一つの傘で行くか』
言いながら、拓真君は男性用の少し大きめの折りたたみ傘を広げると、さりげなくスペースを開けて、入るように促される。
『…良いの?』
『もちろん…どうぞ?』
笑みを返され、断る理由も見当たらない私は、作ってくれたスペースに身を寄せた。
途端に頭上からパラパラと聞こえる、雨音。
濡れないようにと、肩を抱き寄せられるも、もう飛び跳ねて驚くこともない。
今日はずっと拓真君の手に触れ、近くにいたからだろうか。
この限られた狭い空間で、互いに身を寄せても、今は怖さも緊張もホンの少しだけで、あるのは奇妙な温かさと心地良さだけだった。
駅に戻るために、バスロータリーに向かうと、先ほどよりは小雨になったものの、未だに降り続く冷たい雨。
ついこの前まで、暦の上では”夏”だったのに、時折吹き抜ける風は冷たく、上着を着ていても少し肌寒いくらい。
『まだ結構、降ってるね』
『予報じゃ一日降るって、言ってたからな』
循環バスの乗り場で時刻表を見れば、ちょうど今出たばかりのようで、次のバスまで、15分待たなければいけない。
時刻は、まだ9時前。
雨も小降りということもあり、ここは駅までゆっくり歩いていくことに決めた。
『せっかくだから、恋人らしく、一つの傘で行くか』
言いながら、拓真君は男性用の少し大きめの折りたたみ傘を広げると、さりげなくスペースを開けて、入るように促される。
『…良いの?』
『もちろん…どうぞ?』
笑みを返され、断る理由も見当たらない私は、作ってくれたスペースに身を寄せた。
途端に頭上からパラパラと聞こえる、雨音。
濡れないようにと、肩を抱き寄せられるも、もう飛び跳ねて驚くこともない。
今日はずっと拓真君の手に触れ、近くにいたからだろうか。
この限られた狭い空間で、互いに身を寄せても、今は怖さも緊張もホンの少しだけで、あるのは奇妙な温かさと心地良さだけだった。