たった7日間で恋人になる方法

陽が落ち、昼間よりだいぶ気温が落ちてきたこともあって、回転式の窓も両脇の2枚ずつが解放されているだけで、残りは閉まっている。

そのうちの、座っていた席の近くに解放されていた、窓からそっと外に出た。

段差のないデッキに歩を進めると、日中は厳しかった残暑も、夜風はひんやりと頬に冷たくて、気持ち良い。

室内から見ていたよりも、うんと広く感じるデッキの中央には、屋外にも拘らず、洒落たリビングソファーに、野外パーティーなどに使うのだろうか、近くにはグリル用の自立型のコンロが置いてある。

どれも、ところどころ床に埋め込まれている間接照明によって、オレンジに浮かび上がり、なんとも幻想的。

おまけに、こちら側は、建物の裏側になるからか、何故か街の喧騒は聞こえず、代わりに初秋の夜特有の虫の音が絶え間なく聞こえてきた。

もう一度、後ろを振り返って室内を見渡せば、明るい室内で各々がそれぞれの輪に入り、楽しそうに談笑している。

いつもなら、疎外感から適当な輪の中に加わるのだけれど、今はむしろ一人が心地よく、このまま夜風にあたっていたかった。

デッキの先に視線を戻せば、中央のパーティースペースの左手に階段が見え、5~6段上がったその先が、少し小上がりのデッキになっている様子。

何気なくその先がどうなっているのか気になり、足元の照明を頼りに足を進める。

右手に屋外のソファーを臨みながら階段を上れば、上りきった先には奥行5メートルほどの広々としたスペースが表れた。

徐にデッキの端まで進み、手摺のその先の景色を望めば、駅から10分足らずにも拘わらず、なぜこんなにも静かなのか、その理由を知る。

自分の腰よりいくらか高い手摺の先、直ぐには建物はなく、地盤より下がった場所に緑豊かな広めの公園、その更に先に閑静な住宅街が並ぶ。
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