たった7日間で恋人になる方法

『さっき、男性と二人で食事に行ったこともないっていうのは、こういうことだったんですね?』
『お恥ずかしながら…』
『別に恥ずかしいことでもないですよ?森野さんの中では、ゲームの中とはいえ、きちんと恋人という存在がいたのなら、他の男性と…というのが、考えられないのも当然です』

見た目は、完全にヲタク系男子なのだけど、同性愛者として、やはりどこか女性としての感覚もあるのだろうか。

私の話を聞いて、偏った見方をせずに、同調してくれることが嬉しかった。

『美園達が、私のことを想って、現実の恋愛しなさいっていうのもわからなくもないけど、私の心の中にはずっと琉星がいるし、正直、3次元の男性には、全く魅力を感じないから…』
『一応、かろうじて3次元の男としては、手厳しい意見ですね』
『あ…えっと…ごめん』
『冗談ですよ…僕だって、森野さんのそういう考え、とやかく言えるほどノーマルじゃないですから』

時枝君は、自嘲するように笑い、本日2杯目のビールに口をつける。

相変わらず整っていない髪型にダサい眼鏡…でも不思議と、こうして話していると、だんだんそんなことは気にならなくなってきた。

本当の自分を知ってもらえてる、安心感なのか、さっきより緊張感が和らいでいる気がするのは、気のせいではない。

『森野さんが、仮初の恋人役にこんな僕を選んだのも、やっと理解できました…僕が、女性には興味が無いから…ですよね?』
『…うん…まあ、演技とはいえ、リアルな男性と…って考えたら、少し抵抗あって…』
『琉星さんに悪い…とか?』
『それもあるけど…』
『でも、確かに賢明な判断だったと思いますよ…だって、きっと普通の男性だったら、仮初めでも森野さんみたいな可愛い人と恋人のように接していたら、やましい気持ち沸いちゃうでしょうから』
『か、可愛いって…私が!?』

時枝君にサラリと言われて、思わず赤面してしまう。
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