たった7日間で恋人になる方法
拓真君が予約してくれたお店は、駅前のにぎやかな通りから1本入った裏路地にあり、見た感じ両隣には何もなく、ただポツンと現れた木製の扉に、店名らしき英字が小さく書かれているだけ。
『ここ?』
『入口はちょっと暗いけど、店の中は…そこそこ明るいから』
拓真君が扉を開けると、そこは小さな踊り場のようなスペースになっていて、すぐ先に地下に降りる階段が伸びている。
どうやらお店自体は、この先の地下にあるようだ。
後ろで入ってきた扉が閉まると、足元を照らす間接照明だけが、ほんのり見えるだけで、その先は見えなくなり、まるで異世界の入口のようで、降りるのを一瞬、躊躇ってしまう。
階段の降り口の手すりにつかまり、目の前の暗闇を見つめて立ち止まる。
『怖い?』
『べ、別に、怖くなんか…』
狭い空間で、隣に立つ拓真君を見上げると、長い前髪の隙間から、黒縁眼鏡の奥に見える瞳と視線がぶつかり、何故かジッと見つめられる。
『萌』
ドキッ
『…大丈夫、俺がずっとそばにいる…』
低く甘めの声で、まるでゲームさながらのセリフに、急激に高まる心拍数。
このシチュエーションも加わって、本当にバーチャルな世界に入り込んだような、錯覚を起こす。