たった7日間で恋人になる方法
『…うぅ、緊張する』
『萌、表情硬すぎるよ?もっと力抜いて』
『だって、どうしたら…』
こんな時、世の中の大人女子達は、どうするんだろう。
緊張のあまり涙目で、救いを求めるように拓真君と見上げると、一瞬小さく溜息を吐かれ、カウンターに両肘を乗せて、こちらを覗き込む。
『萌』
すぐそばで聞こえた声は、触れている身体を伝わって、直接耳に届いたような気がした。
『君は、琉星とも、こうやってよくBarのカウンターで飲んでるだろう?その時の自分を思い出してみたらどうかな』
『琉星と…』
そうだ…確かにゲームの中では、何度も行った、二人の行きつけのダイニングBar。
カウンターの端で、私は自分から身を寄せて、琉星に甘えるようにしてたっけ。
【…カウンターに肘をついた姿勢でグラスを持つ琉星に身を寄せ、琉星の左腕に自分の腕を絡ませると、その肩にそっと寄りかかる…】
バーチャルな世界での自分の行動を思い起こし、緊張しながらも、すぐ隣にいる拓真君の腕に触れてみる。
上着を脱いで、ワイシャツだけの拓真君の腕は、思っていたよりがっしりとしていて、自分のものとは明らに違っていた。
そっと腕を絡めてみると、ほんの少し、拓真君の身体が強張った気がした。
拓真君だって、こんなこと初めてなのかもしれないと思うと、彼の努力まで無にするわけにはいかない。
後はその肩に、自分の身を寄せるだけ。
ゆっくりと、自らの意志で、拓真君の肩に頭を寄せ…