愛育同居~エリート社長は年下妻を独占欲で染め上げたい~
これはカシスオレンジだ。

二十歳になりたての頃に、友達と居酒屋で初めて飲んだカクテルもこれであった。

甘くて味は嫌いじゃないが、アルコールが喉を刺激して熱くなり、その感覚が苦手である。


これ、飲み干せるかな……。


せっかくサービスしてくれたものを残すのは失礼な気がするし、これを飲まなければ二杯目のドリンクを注文できない。

入店しておきながら、まさかお金を使わずに店を出るわけにはいかないだろう。

頑張って飲まなければ。


無理をしてカクテルグラスを傾けながら、スマホを取り出した。

桐島さんが買い物に出てから十五分ほどが経とうとしているので、そろそろ紫陽花荘に帰ってきて、私がいないことを知るのではないかと思われる。


心配しないように伝えなければ……。


彼に電話をかけようとしたが、『エマさんのことは気にせず帰っておいで』と説得されそうな気がしてメールに変える。

いや、桐島さんなら、私を気遣い、エマさんとふたりでホテルに宿泊すると言いだすかもしれない。
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