愛育同居~エリート社長は年下妻を独占欲で染め上げたい~
《しまったー!》と叫ぶ声を聞いて、私は吹き出した。
武雄は高校三年生。
新学年になってまだ数日だというのに、もうひと月経った感覚でいたのだろうか。
クラス替えはなく、担任もクラスメイトも二年生の時と同じなので、新鮮さがないせいかもしれないけれど。
武雄の間抜けな間違いに沈んでいた気持ちがいくらか浮上して、クスクスと笑っていたら、《あれ、姉ちゃんどこにいるの? 周囲が賑やかだけど》と問われた。
紫陽花荘から徒歩数分の商業ビル内にあるワンコインバーだと答えたら、《へぇ、姉ちゃんでも飲みに行くことがあるんだ》と珍しがられ、《桐島さんと?》とギクリとすることを聞かれた。
ひとりで飲んでいると言えば、なにかあったのかと心配させそうで、「う、うん。そうだよ」と咄嗟に嘘をついてしまう。
すると、からかうような声で《ふーん》と返された。
電話の向こう側にいる武雄の、ニヤニヤ顔が目に浮かぶ。
《うまくいってるんだ。桐島さんになら、安心して姉ちゃんを預けられるよ。俺もあの人好きだからさ、姉ちゃん、逃さないように頑張って》
武雄は高校三年生。
新学年になってまだ数日だというのに、もうひと月経った感覚でいたのだろうか。
クラス替えはなく、担任もクラスメイトも二年生の時と同じなので、新鮮さがないせいかもしれないけれど。
武雄の間抜けな間違いに沈んでいた気持ちがいくらか浮上して、クスクスと笑っていたら、《あれ、姉ちゃんどこにいるの? 周囲が賑やかだけど》と問われた。
紫陽花荘から徒歩数分の商業ビル内にあるワンコインバーだと答えたら、《へぇ、姉ちゃんでも飲みに行くことがあるんだ》と珍しがられ、《桐島さんと?》とギクリとすることを聞かれた。
ひとりで飲んでいると言えば、なにかあったのかと心配させそうで、「う、うん。そうだよ」と咄嗟に嘘をついてしまう。
すると、からかうような声で《ふーん》と返された。
電話の向こう側にいる武雄の、ニヤニヤ顔が目に浮かぶ。
《うまくいってるんだ。桐島さんになら、安心して姉ちゃんを預けられるよ。俺もあの人好きだからさ、姉ちゃん、逃さないように頑張って》