愛育同居~エリート社長は年下妻を独占欲で染め上げたい~
それから数時間が経ち、昼休みに入る。
私は自分の席でいつものように、お弁当箱を開けていた。
天野さんを含め、部署内の三分の二以上の人が、外で昼食を取るために席を外している。
私の周囲のデスクも空席で静かな昼休みを過ごしていたのだが、お弁当を半分ほど食べたところで、通路を挟んだ後ろの席に三十代の男性社員ふたりが戻ってきた。
彼らは近くの牛丼屋のレジ袋を提げていて、椅子に座ると、話しながら買ってきた昼食を食べ始めたようだ。
ふいに「桐島社長が……」という言葉が聞こえてきて、私は箸を止め、意識を後ろの会話に向けてしまう。
「こっちの経営から手を引いて、ベルギー社に腰を据えるらしいよ。ステーマン社長がそんなことを言ってたって、噂を聞いた」
「そうなんだ。桐島社長に戻ってきてほしかったけど、仕方ないよな。向こうにいたら、こっちの経営状況は数字でしか掴むことができないだろうし、ステーマン社長に全権譲ろうと決めたんだろうな」
私の胸に、動揺の波が広がっていく。
こっちの経営から手を引いて、ベルギー社に腰を据えるとは……日本に帰らないということなの?
そんなの私、桐島さんから聞いてないよ……。
私は自分の席でいつものように、お弁当箱を開けていた。
天野さんを含め、部署内の三分の二以上の人が、外で昼食を取るために席を外している。
私の周囲のデスクも空席で静かな昼休みを過ごしていたのだが、お弁当を半分ほど食べたところで、通路を挟んだ後ろの席に三十代の男性社員ふたりが戻ってきた。
彼らは近くの牛丼屋のレジ袋を提げていて、椅子に座ると、話しながら買ってきた昼食を食べ始めたようだ。
ふいに「桐島社長が……」という言葉が聞こえてきて、私は箸を止め、意識を後ろの会話に向けてしまう。
「こっちの経営から手を引いて、ベルギー社に腰を据えるらしいよ。ステーマン社長がそんなことを言ってたって、噂を聞いた」
「そうなんだ。桐島社長に戻ってきてほしかったけど、仕方ないよな。向こうにいたら、こっちの経営状況は数字でしか掴むことができないだろうし、ステーマン社長に全権譲ろうと決めたんだろうな」
私の胸に、動揺の波が広がっていく。
こっちの経営から手を引いて、ベルギー社に腰を据えるとは……日本に帰らないということなの?
そんなの私、桐島さんから聞いてないよ……。