愛育同居~エリート社長は年下妻を独占欲で染め上げたい~
メールは月に二、三度やり取りしているけれど、【体調を崩してはいませんか? 私は元気にしています】というような、毎回、決まりきった文章になってしまう。

日常の詳細を長文メールで送れば、彼も同程度の長さのメールを返してくれるのがわかっている。

相当に忙しい彼を煩わせたくないという思いが、メールを短い定型文のようにさせてしまうのだ。

桐島さんからの返信も、ここ最近は、【心配してくれてありがとう。俺は大丈夫。有紀子が元気そうでよかった】というような、毎回似たような文面のメールが続いていた。


お互いに気を使いすぎているから、味気ないメールのやり取りだけの交流になっているのだろうか。

それとも、遠い海の向こうの彼とは同じ時を過ごせないから、共通の話題を見つけられないせいなのか……。


目を閉じて、桐島さんを想う。

灰青色の優しい瞳と、温かく大きな手が恋しい。

あとひと月ほどなら、私はこの重たい寂しさにも耐えられる。

だから、必ず帰ってきてくださいね……。

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