愛育同居~エリート社長は年下妻を独占欲で染め上げたい~

噂を聞いた日から半月ほどが経ち、今日は九月半ばの金曜日。

彼はきっと二年で帰ってくると信じようと決めた私は、仕事に集中することで心を揺らさぬように努力して、今日も忙しく働いていた。

午後はアイスクリームパッケージングチームのミーティングと、他部署との打ち合わせ二件が立て続けにあり、慌ただしい。

それらを終えた十六時、やっと自分の席に戻ってきて、やりかけのデザイン画の調整作業に入ったら、私のお腹が鳴った。

焦ってお腹を抱えるように押さえ、周囲を見回したが、隣の席の天野さんを含め、誰の耳にも届かなかったようで、私を笑う人はいなかった。

ホッとしつつも、恥ずかしさはしっかりと感じており、私の頬は熱くなる。


それで、机の引き出しを開け、中から和柄の巾着袋を取り出した。

時々、開発部から試作品のチョコレートが大量に差し入れられるので、この中にストックして、空腹を感じた時につまんでいる。

今もチョコレートを食べようと巾着袋を開けたのだが、残念ながら中は空になっていた。


仕方ない……。

早くやりかけの仕事を終わらせたいと気が急いても、お腹が鳴るのを心配していては集中できそうにないので、私はお財布を手に立ち上がる。

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