愛育同居~エリート社長は年下妻を独占欲で染め上げたい~
あんなに元気だったのにどうして……という戸惑いと、二度と話をすることができない悲しみ。

それと、心にポッカリと穴が空いたような大きな喪失感を抱えて、私は仏壇の前で手を合わせる。


仏壇は居間の隅にあり、父の位牌の隣に、祖母の真新しい位牌を並べた。

居間には私と弟、親戚のおじさんの三人がいる。

仏壇の前には白い布で覆った小さな祭壇が設置され、綺麗な布袋に包まれた骨壷と祖母の遺影が、菊やユリの花に囲まれるようにして置かれていた。


弟の武雄は私の隣に正座して、両手を膝の上で強く握りしめている。

泣き腫らした赤い瞳はまだ潤んでいて、それを見られまいとして俯いている様子であった。


私も随分と泣いたけれど、今はもう涙は止まっている。

三日三晩泣き続けて涙は枯れた……いや、泣いていられない。

これからは私が弟の保護者だ。

武雄が社会人になるまで支えていかないと。

悲しみに押し潰されていては、生活が破綻してしまう。


つらいながらも、しっかりしなければと思えるようになったのは、弟の存在の他にも理由がある。

この五日間、桐島さんが会社にも行かずに付きっきりで私を支えてくれたからだ。

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