残念系お嬢様の日常
「水怖いくせに必死に助けようとするなんて……変なやつ」
「だって……飛び込まないと、浅海くんが」
制服が透けて、女だということがバレてしまうかもしれなかった。
それだけは防いであげたかったんだ。
「俺はあんたは自分で動かずに誰かを動かせる人間だと思ってた」
「……そうですか」
「身を投げ出すのはすげぇけど、あんま無理すんな」
「……はい」
原作と同じでヒーローである天花寺が助けるべきだったのかもしれないけれど、今回は覚えのない不穏な動きがあったし、自分の目で真実を確かめに行きたかった。
誰が私の〝フリ〟をして浅海さんを追い込んでいたのかを。結局わからないままだけど。
「あの」
「なに」
「ありがとうございます」