残念系お嬢様の日常



その意味がわからず顔を顰めていると、蒼が一から文芸部について教えてくれた。


文芸部の部長の顔と名前を知る人は誰もいないらしい。

やりとりはいつも文芸部にあるノート。そこに部員たちの作品の感想やアドバイスを書いてくれるんだとか。


「変な部活ね」

「うん。まあ、変なのはそこくらいだよ。別に部長と会わなくても困らないからいいけどさ」

「その部長も書いているのよね?」

「部長の作品にはファンが多いみたいだよ。一番人気なのは————」

「え……?」


謎の文芸部の部長の正体を私は知らない。

これは原作にはない展開で、蒼が文芸部に入っていることも原作ではなかった。

原作とは違う展開になったのは蒼を文芸部に引き入れた海老原って人がいたからだ。なんだか少し引っかかる。

それに蒼の言う部長が書いた一番人気の作品もだ。





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