残念系お嬢様の日常
***


第一回目の補習日。

指定された教室には、私しかいない。どうやら一番乗りのようだった。


「そろそろ、始めましょうか」

時計を確認した先生が教科書を開く。

私は手を挙げて、「先生、まだ全員揃っていません」と発言すると、先生の表情が曇った。

確かにもう補習開始時間だ。けれど、何かの事情があって遅れている人がいるのかもしれないし、少しくらい待ってあげてほしい。

そう付け足すと、先生は気まずそうに視線を落とした。


「大変申し上げにくいのですが、遅刻者はおりません」

「え」

「揃っています」


補習は悲しいことに私だけだった。

A組からC組の第一グループ、D組からF組までの第二グループに分けられているらしく、残念ながら第一グループの英語の補習には私しかいなかったのだ。

先生、それなら私第二グループに入れてもよかったのでは?





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