残念系お嬢様の日常


午前からマンツーマンで補習を受けて、十二時には解放された。

午前中で終わると聞いていたので、お昼ご飯は家で食べようと思っていたけれどお腹の虫がグキュウゥウウと暴れだす。

う……朝ご飯もっとしっかり食べておくんだった。

けど、食べすぎると家族の目が痛いんだよね。

明日からお母様とお父様は旅行だから、明日はがっつり食べてこよう。


あまりにも空腹で気力が湧かずにふらふらとした足取りで階段を下っていくと、どこからかいい香りがした。


「ん……?」

なんだろうこれ。嗅いだことのある空腹を刺激する優しくて温かな匂い。

どうやら三階からしているようで、匂いを辿りながら足を進めていく。

カシフレが活動している第二茶道室とは反対側にある部屋——カウンセリングルームで足を止める。



< 219 / 653 >

この作品をシェア

pagetop