残念系お嬢様の日常


「仲は良いの?」

「良い方だと私は思っていますわ」

「そう。羨ましいな」

どうも本音で言っているようには感じない。一体、この男は何が狙いなのだろう。


「幼い頃、親族が君の家のことを話しているのを偶然聞いてしまったことがあってね」


その言葉で彼が何を言おうとしているのか察した。

つまりは、〝本当〟の姉弟じゃなくても仲が良いなんて羨ましいと言いたいのだろう。

そして、その裏側に隠された意味は彼の性格を知っている私にはわかってしまう。



「貴方がここにいることを誰にも言うなということですね」

「そんな脅すつもりはないんだけど、内緒にしてくれると有り難いかな。彼だって学院の人に〝正統な〟雲類鷲家の息子ではないなんて知られたくないだろうし」


何が脅すつもりはないだ。

蒼と本当の姉弟じゃないということを内緒にしてほしければ、黙っていろってことでしょう。





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