残念系お嬢様の日常
『まあでも、俺にも悠にも……あの子にもできなかったことを君に託すのは重たすぎるかもしれないけど』
「託すなんてやめてください。私はただ自分のできることをやるだけなので」
私の返答に雨宮が笑った。
顔が見えないので正確にはわからないけれど、そんな気がした。
「明日も朝早いの。そろそろ切るわね」
『ああ、明日も補習なんだね』
「切りますけど!」
『ごめんごめん。電話ありがとう。じゃあ、おやすみ』
雨宮は相変わらず腹がたつし、考えてることはわけわからない。
でも、こうして気を張らずに話せる相手ができたのは少しだけ救われる。
開いた窓から昼間の熱気が嘘のような緩い夜風が吹き抜けた。
レースのカーテンが波打ち、窓枠に切り取られた夜空が顔を出す。
明日の補習の後、〝幽霊〟に会いに行こう。景人がいるのであれば、来る可能性が高いはずだ。