残念系お嬢様の日常
「あまり友達のお家って行ったことがなかったから……はしゃぎすぎちゃったんじゃないかって思っていたのだけど」
「ああ、確かに水谷川さんの声がときどき聞こえてきたけど、普段とはかなり違ったね。すごく楽しそうだった」
「え! き、聞こえていたの!?」
や、やだ! 真莉亜たちの前だからすっかり気が緩んで、人様のお家なのに思いっきり素を出してしまっていたわ。
それを聞かれていたなんて、恥ずかしすぎるわ!
「水谷川さんってあまり話さないのかと思ってたから意外だった。姉さんもだけど、みんな普段見せている顔とは違う一面を持っているものなんだね」
「う……変なところを見せてしまってごめんなさい」
「別に謝ることでも、変なことでもないと思うけど。素の水谷川さんも明るくていいと思う」
素のままでいいと言ってもらえるのは嬉しい。
自分でもこの性格が水谷川家としては、あまり良いものではないとわかっている。
だからこそ令嬢として家の名前を汚さないために、今まで水谷川家として参加するパーティーなどでもきちんとやってきたつもりだ。