残念系お嬢様の日常
メッセージに書いたのは『貴方に会いたい。カウンセリングルームで待ってます』という文章。
真莉亜から聞かされているのは、作戦の一部だけだから誰が来るのかはわからない。
ひょっとしたら警戒してこないかもしれない。そう思っていた。
この人のことはあまり関心がなくても知っている。
女子生徒から人気で、中等部の頃から騒がれていた。人当たりも良くて、気さくな人。
けれど、裏では生徒の写真を撮って送りつけて、楽しんでいたなんて思いもしなかった。
「一木先生」
名前を呼ぶと嬉しそうに口元を緩めた一木先生に嫌悪感を抱く。バレても焦っていない。むしろ気づかれたことが嬉しそうだ。
ねっとりとした気持ち悪い視線を注がれて、全身が粟立つ。
「……僕を試しているのかな。悪い子だね」
まずい。怖がっていることが伝わってしまった。
会いたかったから嬉しい。
そういうフリをするって作戦だったのに。この様子ではこの人は認めない。