残念系お嬢様の日常
激昂した伯母様が一歩前に出て、鋭い目を私に向けてくる。
昔なら怯んでいたけれど、大事な人を貶されて黙っていられるわけがない。
「……余所者、という表現は違います」
「違わないわ。赤の他人よ」
「蒼と私は血が繋がっていますもの」
「あんな子、雲類鷲の家の人間ではないわ!」
伯母様は私のこと以上に蒼を嫌っている。
蒼自身がなにかをしたわけではなく、養子として迎えられたということ自体が気にくわないのだ。
昔も伯母様は蒼本人に向かって、ひどい言葉を浴びせていた。
幼い頃は、守り方を知らなかった。
私が伯母様に貶されているときでさえ、耐えることしかできなかったのだ。
自分のことすら守れない私は、蒼の守り方を見つけることができなかった。
でも、今は違う。