残念系お嬢様の日常
「蒼は雲類鷲の人間です。私の弟です。伯母様はそうやって誰かを貶めることばかり言って心は痛まないのですか」
「生意気なことばかり言って逆らうのはやめなさい。貴女なんて所詮出来の悪い人形でしかないのよ。私の言う通りにしていなさい!」
「私は人形じゃないわ!」
『出来の悪い子』
そう何度も幼い頃から伯母様に言われてきた。
勉強もお稽古も何度もやらなければ頭に入らないので努力を重ねてきた。
天才とは言えない子どもだった私のことを伯母様は不出来だと罵る。
そして、私よりも遥かに出来のいい蒼のことを見て
『あんな子でも出来ることを何故雲類鷲の家の人間であるあなたができないのかしら』
とわざとらしく言っていた。