残念系お嬢様の日常
「あ、雨宮、様……」
声が上擦ってしまった。
まさか彼がこの場に現れるとは思っていなかったので、動揺してしまう。
「雨宮? そう、貴方が雨宮家の……」
「口を挟んでしまって申し訳ないのですが、浅海奏と真莉亜さんの関係は友人です。貴女が疑っているような関係ではありません」
「お前はどういう関係なんだ」
何故か久世が雨宮に聞いた。
どうしてここでそういう話になるのか全くついていけない。
久世って実は天然なのかしら。
「君よりかは、仲がいいかな」
わざとらしく含んだような笑みを見せた雨宮に久世は苦いものでも食べたかのように顔を顰めた。
どうやらこの二人はあまり仲がよくないみたいだ。