残念系お嬢様の日常


水谷川さんの隣に現れた三人に目を見開く。

不思議な組み合わせだ。


大勢でいるのは夏休みのときに見たことはあったけれど、この三人でいるのは初めて見た。



「弟も一緒なのか。ちょうどいいな」

東雲さんがウサギのパペットを手にはめながら、にやりとした。

彼女は花ノ姫の中でも独特な雰囲気で目立っている。


聞いた話によると失礼なことをすると呪われるんだとか。

そんなわけあるはずないとは思うけど。




「……ちょうどいい?」

俺が聞き返すと、窓枠に手をかけた浅海がまっすぐな視線で俺を射抜くように見つめてくる。




「犯人を捜そうと思っています」

本気で言っているのだと伝わってくる。

だけど、そんなのどうやって?



浅海に捜す術があるとは思えない。





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