残念系お嬢様の日常
確かにこの場で瞳と雨宮の婚約の話が出てしまえば、話は一気に広まり、数日後には生徒たちに知れ渡る可能性が高い。
とはいっても、スミレや雨宮がこの状況でなにをするというのだろう。
瞳の周りに集まっていた出席者たちがはけたので、瞳の元へとお祝いをしにいく。
「お誕生日おめでとう。瞳」
「ありがとう。真莉亜、すごく似合ってる。可愛い」
さらりと褒めてくれる辺りがさすが瞳イケメン女子。
そんなことを言う瞳もロイヤルブルーのドレスがとっても似合っている。
「まあ、ありがとう。瞳も素敵よ。その色気を少しでいいから分けてほしいくらい」
冗談だと思っているのか瞳は「そんなのないよ」と笑ったけれど、自分でその色気に気づいていないのかしら!? 切実に分けてほしいわ!
談笑している私たちの横にゆらりと影が落ちた。
振り向くと、ふんわりとした白のワンピースに薄い紫色の髪飾りをつけたスミレが立っている。
まるで妖精のような可愛らしさだ。スミレは黙っていれば金髪美少女だったことを改めて思い知らされる。