残念系お嬢様の日常


食堂でスミレと瞳と合流した。さすがお金持ちの学校という感じで、私が前世でよく食べていた定食という名前はない。

入り口に置いてあるお品書きには、お上品な名前のメニューがずらりと羅列されていた。


「私は、この華のスペシャルコースにしようかしら」

「スミレにしては、少食だね」

「あらやだ、瞳。……放課後にアレが食べれなくなったら困るじゃない」

つまりは駄菓子を放課後に食べたいってことね。スミレはすっかりどハマりしているみたいで、いまだに駄菓子が好きみたいだ。

今日の私は春風のスペシャルコースにした。その名の通り、春が旬の食材がたくさん使用されているらしい。

空いていた席について運ばれてくるのを、うきうきとしながら待つ。楽しみだなぁ。

って! そうじゃなくて、多分今日事件が起きるよね。


あれは阻止しないとまずいと思う。

雅様にスープをぶっかけてからいじめが始まるし……結構酷いことされていたから、この先に起こることを知っておきながら知らんぷりをするのはちょっと……。

あれさえ防げば、花ノ姫との衝突はなくなるのかな。


ところで、浅海さんと雅様はどこだろう。






< 68 / 653 >

この作品をシェア

pagetop