極上CEOの真剣求愛~社長の言いなりにはなりません~
それには、「は?」と短く聞き返される。


「私が訪室した時の状況を見ると、とっているようには思えませんので。コンビニで申し訳ないですが、なにか買ってきます。糖質を補わないと、脳が働きません」


秘書として、純粋にボスの体調管理のつもりで言った言葉だった。
それを聞いた神楽さんは、わずかに口角を上げて苦笑する。


「お前の頭ん中、透けて見えるな。『ま~た女遊びだろう』って、呆れてる?」


顎を摩りながら、斜めの角度から向けられる視線。
見透かされてグッと言葉に詰まりながらも、私はそれに肯定も否定もせず、彼を見つめ返した。
神楽さんは、クスッと笑うと軽く肩を竦める。


「まあ、それはそれ。唯ちゃん、気遣いできるしいい奥さんになりそうだな。いっそ、俺んとこ来ない?」


またしても、反応を試すようにからかわれる。
探りかけてくる瞳から、私は大きく顔を背けて逃げた。


「夜遊び、夜更かしはほどほどにお願いします。ついでに、無駄に私をからかうのも。名前を呼ぶのもやめてください。そうしていただけるのが、一番ありがたいです」


彼をあしらうのも、もう慣れっこだ。
私はドア口に小走りして、神楽さんが視界に映らないよう顔を俯かせ、彼の執務室から飛び出した。
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