極上CEOの真剣求愛~社長の言いなりにはなりません~
四半期毎に行われるグループ企業トップ会議には、銀行、証券、生損保、不動産、リース……日本を代表する大企業のエグゼクティブが集結する。
日本、いや世界経済を股にかける超一流金融マンがズラッと居並ぶ様は、何度見ても圧巻だ。


秘書の私は役員会議室には入れないので、テレビ会議システムを利用して、別室から様子を見守る。
今、壁一面に設置された大きなスクリーンの中で、トップたちが今年度の第一クオーターにおける自社の決算、業績報告を行なっている。


グループのリーディングカンパニーである銀行の報告が終わり、うちの会社、神楽さんに順番が回ってきた。
マイクを手にする彼の姿が、別室のスクリーンに映し出される。


同席していた他社トップの女性秘書たちが、一様に手を止め、スクリーンを注視する。
どこからともなく、ほおっという吐息が聞こえた。


「SKトレーディングの神楽CEO。相変わらず見目麗しいわね」


コソコソとそんな声も耳に入る。


この金融グループに参画する企業トップの年齢層は、ほとんどが六十代で、五十代前半でも若手と呼ばれる部類に入る。
そんな中、三十三歳の神楽さんは最年少だ。


経済界の名だたる重鎮の前でも、彼はこれっぽっちも緊張した様子はない。
ほんの一時間前、軽口で私を口説いていたとは思えない、凛とした表情。
別室の秘書たちが見惚れる中、淡々と業績報告を始めた。
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