極上CEOの真剣求愛~社長の言いなりにはなりません~
『本年第一クオーターにおいては、為替市場が円安で推移した影響もあり、一部投資家に買い控えの空気が窺えました。しかし、特に個人投資家の間でFX取引へのニーズは高く、現在弊社では、為替変動リスクを最小に留められる金融商品の企画を進めております。具体的には……』


モニターを通して聞いても、低く張りのある声。
溌溂とした語り口が、とても力強い。


どんな相手を前にしても、神楽さんはいつも堂々としている。
神楽さんがその手で築き上げた確固たる成功が、彼自身に力を与える。
そこから得た栄光が絶対的な自信に繋がり、彼のオーラは光に満ち溢れている。


神楽さんは、この会議に出席している誰よりも長く、この先の金融界に君臨し続ける人だ。
そんな自分を、彼は『トップ会議での俺は、新参の開拓者だ』と評する。


自ら道を切り拓くフロンティア精神。
それをモットーに仕事をする神楽さんはキラキラ輝いていて、私の目には時々眩しすぎるくらいだ。


悔しいけど、ああやって仕事をしている時の神楽さんは、文句なく尊敬できる。
太陽みたいでカッコいい、と思わなくもない。


「……ほんと、喋らずに仕事だけしててくれれば、間違いなくイイ男なのに」


声が届く距離に誰もいない。
絶対に神楽さんに聞き咎められないのをいいことに、私はボソッと本音の独り言を漏らした。
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