覚悟はいいですか

『俺は君を諦めないよ』

優しくも強い眼差しで見つめながら語りかける

そうだ。礼は何年も諦めないで私を想い続けてくれた

私の傷も痛みも全部わかって、愛してくれた

戻るんだ、礼のところへ

それまで私も諦めちゃいけないーーーーー

こんな奴の思い通りになんてなるもんかっ!


手放しかけた意識を必死にかき集め、力の入らない体に動け、動けと命じて神経を集中するうちに、少しずつ感覚が戻ってきた

ちょっとでも距離を取ろうとずり上がると、
それに気づいた公彦はすぐに膝を掴み、引きずり戻す

「くくくくっ……
逃げても無駄だよ紫織さん、ここには誰も入れない……

これからたっぷりとかわいがってあげるよ」

喉の奥をひきつるようにして笑う声が、吐く息が耳にかかる

いつの間にか仰向けにされ、公彦に組み敷かれていた

引きずられてまくれ上がったワンピースの裾から、ひんやりとした感触が這い上がってくる

「イヤッ!離して」

吐きそうになるほどの嫌悪感を堪え、めちゃくちゃに足を動かしてもがくと

「痛っ!」と呻く声がして太ももに触れていた手が離れた

今だっ!と体を起こしてベッドから降りようとしたが、後ろから腕を引っ張られる

「イヤーー!」

「この女~!優しくしてやりゃあつけあがりやがって!!」

バシッ!と頬を叩かれた
更に馬乗りになり、両肩をシーツに押し付ける

「いい加減、諦めろ!」

そう言って、噛みつくように首筋に歯を立てられた

イヤだ、嫌だよ!礼、助けてーーー

「イヤーーーーーーーー!」

< 179 / 215 >

この作品をシェア

pagetop