覚悟はいいですか

《side 礼》

奇襲は成功した

志水の仕掛けた煙幕と光弾で、北斗組の奴らは本格的(に見える)戦場さながらの光景に冷静さを失っていった

視界も効かないのに、やたらと銃を乱射して相打ちになっている奴も一人二人ではない

『全員、流れ弾に気をつけろ。身を低くして足を狙え
ヒット&アウェイでこちらの人数を把握されないようにしながら、動きを封じ込めろ』

こちらは事前の作戦通り、全員無駄のない動きだ

命まで取る必要はない、正面の部隊はあくまで陽動
この作戦の最優先目標は人質の奪還なのだから


だが組員を半分ほど不能に陥れた時、外国人が飛び込んできた

「Hey! What’s happening?(おい、何が起きてる)」

こいつらが紫織を襲った傭兵崩れか…

「Don’t freak out!(落ち着け!)」

そう言いながら組員達を指示してあっという間に体制を立て直していく

まずい、まだ確実に無力化できていない
早く突入しなければ手遅れになるが、このままでは……

そこまで考えた時、俺の脇を一迅の風が駆け抜けた

ーーー百鬼だ

「う、な、何だ?ギャア!!」
「どうし…ウワっ!」
「な、何が起きて、っぐわああ~~」

黒い風となった百鬼が通り過ぎる時、断末魔のような叫び声があがり、
後には廃棄されたマネキンのように、おかしな方向に手足の曲がった人間が
累々と積み重なっていたーーー


配下に指示を出す

『作戦通り、ジョルジュと紫織の救出に向かう。全員で正面から乗り込め!一人も逃がすな』

俺の横で志水が頷き、二人で建物の裏手に回る

早く、早く紫織を見つけなければ!

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