覚悟はいいですか
「ここは?」

「私が借りてるお部屋。更衣室と荷物置き場代わりに、綾乃さんが一日貸してくれたの。
ベッドは昨日使ったけど、今朝リネンは替えてあるから」

下準備を終えたら帰るつもりだったから、朝起きてすぐ荷物はまとめ、寝具は整えておいた

礼が休んだら、綾乃さんたちに頼んで私は帰ろう
思ってたより普通に話せて安堵したけど、まだやっぱり自信がない

部屋をくるっと見回していた彼と、ふと目が合った

「この後は?パーティーに行くのか?」

「私は帰るよ、ほんとはパーティーでBBQ のお手伝いがあるんだけど、急用ができちゃってね」

あなたと一緒にいて冷静でいられないから、なんて言えないもんね

ところが私の言葉を聞いた途端、明らかに礼の顔つきが変わった
サッと血の気が引き、目に見えて焦りだす

「・・・礼?どうしたの?」

固まっていた礼の唇だけがかすかに動く

「・・・・だ、・・・・・・ちゃ、・・めだ」


「?なんて言ったの?もう一度「いやだ!帰っちゃだめだ!!」」
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