二番目でいいなんて、本当は嘘。
すると清香さんは、「未央ちゃん、よくここまでひとりで頑張ったね」と言った。


その途端、いろんな思いがよみがえってきた。

薫さんと別れ、傷ついた心のまま山形まで行ったこと。
大雪の降るなか、ひとりの部屋で身を縮めていたこと。
けれど、地域の人たちに支えられ、励まされて頑張れたこと。
お腹の中にいる子供の存在感が増すたびに、幸せを感じるようになったこと。


「いいえ、私ひとりじゃありません。清香さんたちが支えてくれました」
「そうね」

清香さんは私をねぎらい、そして続けた。

「子供が生まれたら、いままで以上に周りの協力が必要になってくるわよ」

その声は、私の覚悟を問いているようだった。
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