二番目でいいなんて、本当は嘘。
電話を切ったあと、私は清香さんの言葉を反芻した。

思い込みというのは、どういうことなのだろう。


すると、背後から薫さんの声が聞こえた。

「ずいぶんな言われようでしたね」

その声は、少し怒っているようだった。


私はぎゅっと目をつぶったあと、意を決して振り向いた。

にっこり笑ってみたが、薫さんは硬い表情のまま私を見下ろしている。
その瞳には、悲しみと落胆の色が見えた。
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