二番目でいいなんて、本当は嘘。
「あなたが産婦人科に通ってたという情報を手に入れたとき、喜んだと同時に、僕は自分を呪いました。子供を宿しているあなたに、ずいぶん酷いことを言ってしまった。もう一度やり直したいと思っても、すずも何も教えてくれないし、部下に調べさせても何もわからなかった。自ら命を絶ったりしていないだろうかと、不安で夜も眠れませんでした」
薫さんは子供の存在を迷惑なものだと思うに違いない。
だから、なにも言わず姿を消した。
責任を取ってもらおうだなんて考えなかった。
「……ごめんなさい。でも、あなたはほかの人と結婚することになっていた。迷惑をかけたくなかったの」
「本当に、僕は馬鹿だった。未央さんの優しさに甘えていた。失って初めて、大切なものに気が付くなんて……」
もしかしたら私は、薫さんから子供を慈しむ権利を奪ってしまっていたのだろうか。
家を見ながらあれこれ楽しそうに想像を膨らませていた薫さんのご両親。
同じように、薫さんも、子供の成長を見守る喜びを感じたかったのだろうか。
薫さんは子供の存在を迷惑なものだと思うに違いない。
だから、なにも言わず姿を消した。
責任を取ってもらおうだなんて考えなかった。
「……ごめんなさい。でも、あなたはほかの人と結婚することになっていた。迷惑をかけたくなかったの」
「本当に、僕は馬鹿だった。未央さんの優しさに甘えていた。失って初めて、大切なものに気が付くなんて……」
もしかしたら私は、薫さんから子供を慈しむ権利を奪ってしまっていたのだろうか。
家を見ながらあれこれ楽しそうに想像を膨らませていた薫さんのご両親。
同じように、薫さんも、子供の成長を見守る喜びを感じたかったのだろうか。