二番目でいいなんて、本当は嘘。
「川谷さんを契約社員に決めるときも、たしかそうでした。知り合いのお孫さんだから放っておけないって、社長のひと言で採用が決まって。指導担当のディレクターにも、ときどき電話をかけて川谷さんの様子を聞いているみたいです。基本的に、面倒見がいい人なんですよ」


同じ建物の中にいるというだけで、滅多に会うことはなかった桐生社長。
けれど、いつも気にかけていてくれて、今日みたいに私の力が必要なときは電話をしてくれる。


住む世界が違う人だと思っていたけれど、そんなことないのかな。
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