幼なじみの甘い牙に差し押さえられました
さっき初めて身に付けて、私に似合うかどうかはさっぱり分からなかったけれど。
「これを着た恋人を抱き締めると気持ちいいんだろ?あっけらかんと言うから、あの時は離れてる間の環を心配したよ。」
「へへ、お店のボディーによく抱きついてたから知ってるだけなんだけど…」
照れ隠しを言う間に、肩からコットンのシャツが滑り落ちる。淡いシルクのキャミソールだけの姿になり恥ずかしさで体を丸めると、縮こまった体を開くように両方の手首を握られてしまった。
「綺麗だから、もっと見せて」
「わ、待っ」
涼介がシャツを脱いでいて、すぐ近くで肩と胸筋を見てしまい思わず視線をさ迷わせる。
「環が言ってたのはこういうことでしょ?
あの時、凄く想像したけど」
背中に涼介の熱が直接触れて、ぎゅっと抱き締められていた。触れあった瞬間にシルクのつるんとした感触がして、でもその後は隔たりがないのと殆んど変わらない。
ドキドキして心地よくて、ずっとこうしていたい。けれど涼介の吐息が聞こえると、何故かじっとしていられなくなってしまった。
「気持ちいい…?」
「うん…でも、下着のせいじゃないけど。
この天然煽り魔」
「煽り魔?」
「その声でそういうこと言うからだよ。
これから俺も環に同じこと聞くから、答えて。何度でも」
困ったように笑う涼介はいつも通りの優しい笑顔だったけど、その後は涼介が知らない表情ばかりするから、なぞられた体がますます熱くなる。
「ずっとこうしたかった。環…」
「っ…あっ」
私は涼介の前では何もかも隠せない。涼介を受けとめると、ずっと心の奥底にしまっていた淋しさが沸き上がって、何度も叫んでしまった。むずがる子供のような私を涼介がぎゅっと包んでくれる。