守りたい ただあなただけを


給仕の者達に混じり、
私も各テーブルに食事や酒を届ける。



「・・・・・・・・・・。」


ソプラノの長のテーブルには・・

いやこの宴会場全体の中でも他を圧倒する・・。


一際目立つ美しさと可憐さを備えた女性が座っていた。


あれが・・イズミ姫・・・。

先代 ラバル様が一目惚れなさったのもよく分かる。


出来ることなら後ほどお話ししたい・・・。



その目が少し腫れている事を私は見逃さなかった。


カリマル師団長に連れられ、

無事にラバル様へ直接お別れを告げられたに違いない。


お墓の前で手を合わせ、
涙を流される姫のお姿は容易に想像できた。


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