大逆転ラヴァー
可愛さが消えてしまった夏樹なんて
タコの入ってないタコ焼きで、
クリームの入ってないシュークリームだ。
言いたいことが伝わりにくいって?要するに一番大事なものが欠けててムカつくってこと!
「いらっしゃいませ。ご注文をどうぞ」
「「チョコバナナひとつ」」
「…えっと、」
「「真似すんな、バーカ」」
「あの…」
「「……やっぱりふたつ」」
「はい。チョコバナナクレープおふたつ、ですね」
それでも、何か意味分かんないとこで気が合っちゃうことがしばしばあったりもするんだよね。
そういえば夏樹も昔から甘いもの好きだったっけ。
例えばチョコレートパフェとか、
あとはクッキークリームのアイス、
それにオールドファッション、
それからチョコバナナのクレープ…
あれ?よく考えたら私の好物って夏樹が小さい頃好きだったものばかりだ。
まさか…素直になれない分、好物だけでも初恋の相手である夏樹とお揃いにしたいという気持ち悪い願望が自然とそうさせたのだろうか。
…痛い。無意識なところがまた痛すぎる。