大逆転ラヴァー



「はぁ…朝っぱらからうぜぇ。ぶりっ子ばっかで耳キンキンするわー」



だけど聞こえて来たのは予想外なことに気怠そうな男の声だった。
間違いなく子供の声ではない。



「さっさと散れよ。俺はこのクラスの高梨(たかなし) 彩芽って女に用が…」



その言葉と共に、突如女子の群れから現れた一人の男。

いや…現れたというよりは、きっとしゃがんでいたか座っていて立ち上がったのだと思う。


心底面倒くさそうな表情を浮かべている男は180㎝くらいの長身で、さっきまで下を見ていた女子達は一変して思いきり顔を上に向けた。



そんなことより。
この人、さっき高梨 彩芽って言った?

えーっと………こいつ誰だっけ。
こんな感じ悪そうな奴、私知らな…




「ああ、みーつけた」



誰だったか必死に考えていたとき、女子の群れを掻き分けて私の目の前に立ったその男。

近くに来るとますます大きくて、見上げただけで首が痛かった。

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