大逆転ラヴァー
誰だか知らないけど…
よく見れば結構整った顔してる。
これは女子が騒いでたのも少しは納得できる。
艶のある綺麗な黒髪、
吸い込まれそうなほど大きな瞳、
それから…
「久しぶり。ちっちゃくなったなぁ、彩芽」
_____憎たらしく笑うと見えた…八重歯。
「嘘…あんた…な、夏樹…?」
「お、やっと思い出したか」
そうだ…天邪鬼な私に、神様や仏様が味方してくれるわけなかった。
あのチビで泣き虫で天使のように可愛かった夏樹がこんなに大きくなって、
「また仲良くあそぼーね、彩芽ちゃん?」
「なっ…」
可愛かった子供時代なんて消し去ったみたいに鼻で笑いながら私の顎をクイッと持ち上げるような、
そんなとんでもない男になって帰ってきたのは…
やっぱり夏樹をイジメていた私への天罰、だよね。