【完】李寵妃恋譚―この世界、君と共に―
「美枝(ビシ)、筆談できるようになったのよ!全部、翠蓮のおかげね」
「いえ。それは全て、泉賢妃様が頑張られたからですわ」
泉賢妃―……泉美枝。
齢十六の彼女は、儚げな美貌の持ち主だ。
朱柳閣(シュリュウカク)を屋敷として賜っており、四妃の第四位である。
「その、変に謙遜するのも、また、翠蓮の良いところね」
「灯蘭様、別に私はそういうつもりで言ったわけじゃ……って、怒ってます?」
「いいえ?」
笑ってる……これ、絶対怒ってるわね。
「別に、翠蓮に秘密事されたからと言って、怒ってないわよ」
「……」
絶対、怒ってる。
と、いうか、いじけてる?
「ごめんなさい、灯蘭様」
「……どうして、黙っていたの」
「色々と事情がありまして。でも、貴女が大切な友人であることは変わりませんし、一番、信頼しています。だって、貴女は私のために怒ってくれましたし、大切にしてくれましたから」