【完】李寵妃恋譚―この世界、君と共に―
「―妖々、麗々」
お願いしたいことが出来て、そう呼ぶと。
「ダメじゃ、翠蓮。名前くれるのなら、ちゃんと名前で呼んでくりゃれ」
と、注意された。
「あ。気に入ってくれたの?」
呆然として、何も言わないから……気に入らないのかと。
「翠蓮がくれるものなら、何でも嬉しいの」
麗々にそう言われ、翠蓮は笑みを零す。
じゃあ、と、間を置いて。
「―飛燕、飛雪」
「……なんじゃ」「なーに?」
「調べてもらいたいことがあるの」
「……何でも調べてやろうぞ」
ニヤリ、と、笑う飛燕。
そこへ。
「―ちょっと!?妖々!術でしばりつけるなんて、何してくれてんの!?」
「!?」
突然、現れた飛龍。
「……何じゃ、もう来たのか。つまらん」
「つまらん、じゃないよ!解くの、時間かかった!」
「あれごときを簡単に解けんとは……無能か」
「国内一の術士の術なんて、そう易々と解けるか!」
……どうやら、翠蓮が呼び出した時、向かおうとした瞬間、術で飛燕に封じられたそうだ。
「ごめんね、翠蓮。何をして欲しかったの?」
「何を言っておる!今、儂が翠蓮の願いを―……」
「妖々、煩い!」
この二人は、本当に仲が悪いみたいだ。