【完】李寵妃恋譚―この世界、君と共に―
「……お姉様、お二人は術士なの?」
「わ、わかんない……」
「色んな人に慕われやすいのね、翠蓮って……」
「そうなのかな……?」
少なくとも、ここに李将軍や栄将軍がいる今、争われる暇はないのだが。
だって、バレたら死罪だし。
「ねぇ、飛雪。あなたは調べられる?」
そんなふたりの諍いを無言で眺めながら、お菓子を黙々と食べていた飛雪に話しかける。
「僕?僕も確かに見えるけど……僕でいいの?」
キョトンとした顔。
黙っていると、本当に小動物だ。
「だって、二人に頼んだら、喧嘩を始めちゃったんだもの」
「それは、二人が翠蓮のことを愛しているからだよ。それに、僕たちには救いたい人がいるから」
「……」
"救いたい人”
その一言に一瞬、言葉が切れた時。
「何を抜け駆けしておる!」
「話は聞いたよ。飛雪!抜けがけはだめ!」
詰め寄ってくる、二人。
「……ねぇ、貴方達にも救いたい人がいるの?」
翠蓮がそう尋ねると、
「飛雪……」
「話したのか……」
と、二人は頭を抱えた。
「だって、今も眠ってる。白麗(ハクレイ)と、僕、また遊びたいよ」
「……はくれい?」
同じ名前……飛龍の、前の名前と。
「…………事情があるのね」
すると、飛龍は少し悲しそうに。