【完】李寵妃恋譚―この世界、君と共に―
「時が来たら、ちゃんと話すよ。とりあえず、今は毒の犯人を知りたいのかな?」
「そうなの。でも、飛燕は証拠はない、と……」
「まぁ、ないね。だって、私達が見ていたことを話すだから。……人の問題は、人が解決するべきだよ、翠蓮」
「でも……その間に、新たな被害者が出たら!」
「その為に、貴女に永華珠を渡したんですよ」
「……」
「言ったでしょう?いつか、貴女は争いの渦中に連れていかれるって」
翠蓮の視線は、自然と自分の腰へ。
貰ってから、ずっと身につけているもの。
それを取り出して、真珠のような石を自分の手のひらに転がすと。
「何ですか、それ」
と、嵐雪さんが興味を示してきた。
「何じゃ、"龍の涙”か」
「うん。いっぱい余ってたし、良いでしょ?」
「あげるのは構わん」
飛燕はその一粒を、指でつまんで。
「……これ、まだあるじゃろ?」
「うん、たくさんね」
その白い玉の効能は……果たして、何だったか。
考え込んでいると、
「……天下の万能薬、"永華珠”。幾千年の命を与えるとも、どんな願いでも叶えるとも言われている……」
と、誰かが呟く。