【完】李寵妃恋譚―この世界、君と共に―
「……姉様は」
「……」
「姉様は、先帝陛下を愛していました……それなのに……」
「先帝が、皇后を愛さなかった、と?」
私の頭の中で、何かが弾ける感じがした。
「―っ、だって、そうでしょう!?姉様はあんなにも先帝を愛し、尽くしていたのに!!皇子を産めなかったからって……っ、見向きもされずに!皇女でも、二人産んだのに!!命をかけて、体が弱いのに、頑張られたのに!それなのにっ!!どうして……っ、何が、姉様の何がっ、あの男にわかったんですか……どうして!あの男は姉様じゃダメだったの……!?」
息継ぎもなく、捲し立てた。
でも、目の前の皇帝は冷静で。
「―皇帝に嫁ぐということは、そういうことだろう?」
どうして!
どうして、どうして、どうして、どうして!!!!
「どうしてっ、お姉様だったの!!」
「それは、お前の家が望んだことだ」
「っっ!!お姉様が死ぬ理由なんて―っ、どこにもっ!!」
「お前が殺した女達もそうだろう」
何がわかるのよ。
私の何が!
手当たり次第のものを、皇帝に投げつける。
水差しを投げつけられて、水を被って、御身が濡れても……彼は、私から視線を離さなかった。