【完】李寵妃恋譚―この世界、君と共に―



「……姉様は」


「……」


「姉様は、先帝陛下を愛していました……それなのに……」


「先帝が、皇后を愛さなかった、と?」


私の頭の中で、何かが弾ける感じがした。


「―っ、だって、そうでしょう!?姉様はあんなにも先帝を愛し、尽くしていたのに!!皇子を産めなかったからって……っ、見向きもされずに!皇女でも、二人産んだのに!!命をかけて、体が弱いのに、頑張られたのに!それなのにっ!!どうして……っ、何が、姉様の何がっ、あの男にわかったんですか……どうして!あの男は姉様じゃダメだったの……!?」


息継ぎもなく、捲し立てた。


でも、目の前の皇帝は冷静で。


「―皇帝に嫁ぐということは、そういうことだろう?」


どうして!


どうして、どうして、どうして、どうして!!!!


「どうしてっ、お姉様だったの!!」


「それは、お前の家が望んだことだ」


「っっ!!お姉様が死ぬ理由なんて―っ、どこにもっ!!」


「お前が殺した女達もそうだろう」


何がわかるのよ。


私の何が!


手当たり次第のものを、皇帝に投げつける。


水差しを投げつけられて、水を被って、御身が濡れても……彼は、私から視線を離さなかった。


< 896 / 960 >

この作品をシェア

pagetop